関西では今年、例年より少し遅めの桜が咲きました。 新年度が始まり、今年もまた新しいスーツに身を包む新社会人の姿を見て、「初心忘るべからず」と背筋が伸びる思いです。 変化を恐れず新しいことにチャレンジする気持ちを大事にしたいですね。
ゴールデンウィーク休業のお知らせ
誠に勝手ながら、弊社では下記の期間をゴールデンウィーク休業とさせて頂きます。 お客様にはご不便をお掛け致しますが、何卒宜しくお願い致します。
休業期間: 2024年4月27日(土) ~ 2024年5月6日(月)
※休業中にいただいたお問合わせにつきましては、5月7日(火)より順次対応させていただきますので、何卒ご了承の程お願い致します。
【1】【CSC検証実験】RACCARと粗大粒子パーティクルカウンターの比較
クリーンルームの清浄度を確認する際にパーティクルカウンターを用いますがそのほとんどが微粒子を計測する物です。 では粗大粒子はどのように測定するとよいのでしょうか?また粗大粒子は微粒子と同じような動きをするのでしょうか? 今回はRACCAR(落下塵埃測定)と粗大粒子パーティクルカウンター(浮遊塵埃測定)を使った実験を行いましたのでご紹介させていただきます。
実験目的
クリーンルーム内で発生した粗大粒子を測定する測定器は何が適しているか、また時間の経過とともにどのような変化があるのかを確認する。
使用機器・備品

実験方法
①クリーンルームの温湿度を23℃±3℃、湿度50%±5%に設定し、クリーンルーム中央の床面から高さ約1000mmの位置に粗大粒子パーティクルカウンターとシリコンウエハ5枚を設置する。

②粗大粒子パーティクルカウンターとシリコンウエハから1000mm離れた位置で10秒間タオルを振り、1分後、2分後、5分後、30分後、60分後のデータを測定し、比較する。なおCSバルーンなしとありでそれぞれ実験を行う。
実験結果
粗大粒子パーティクルカウンターとRACCARによる測定結果
CSバルーンなし
パーティクルカウンター (浮遊塵埃)
【単位:個/CF】
| 1分 | 2分 | 5分 | 30分 | 60分 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 10㎛ | 28 | 61 | 2 | 0 | 0 |
| 20㎛ | 5 | 15 | 0 | 0 | 0 |
| 30㎛ | 3 | 6 | 0 | 0 | 0 |
| 50㎛ | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 |
| 100㎛ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
CSバルーンなし
RACCAR (落下塵埃)
【単位:個/50㎤】
| 1分 | 2分 | 5分 | 30分 | 60分 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 30㎛ | 6 | 9 | 10 | 15 | 23 |
| 50㎛ | 4 | 2 | 3 | 8 | 14 |
| 100㎛ | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 |
| 150㎛ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 200㎛ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
CSバルーンあり
パーティクルカウンター (浮遊塵埃)
【単位:個/CF】
| 1分 | 2分 | 5分 | 30分 | 60分 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 10㎛ | 0 | 7 | 0 | 1 | 1 |
| 20㎛ | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 |
| 30㎛ | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 50㎛ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 100㎛ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
CSバルーンあり
RACCAR (落下塵埃)
【単位:個/50㎤】
| 1分 | 2分 | 5分 | 30分 | 60分 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 30㎛ | 5 | 5 | 3 | 4 | 5 |
| 50㎛ | 3 | 3 | 3 | 1 | 3 |
| 100㎛ | 0 | 2 | 1 | 1 | 3 |
| 150㎛ | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 |
| 200㎛ | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 |

考察
CSバルーンなしの場合、タオルを振った直後から浮遊塵埃の量が増え、2分後にピークとなった後、その後はほとんど計測されなくなりました。落下塵埃の量は時間の経過とともに増える結果となりました。CSバルーンがないクリーンルーム室内では乱流が大きく、その影響により発塵発生直後は短時間のうちに発塵源周辺が汚染されその後室内に拡散します。またその後も塵埃が舞い上がりやすい状態のため室内に置いてある製品や装置などに時間の経過とともに堆積していきます。
CSバルーンありの場合もタオルを振った直後から浮遊塵埃の量が増え、2分後にピークとなった後、その後はほとんど計測されなくなりましたがCSバルーンなしと比較しますとその量は明らかに少なくなっていました。落下塵埃の量はタオルを振った直後と1時間経過後ではほとんど同じで時間の経過で大きく増加するということはありませんでした。CSバルーンをつけることにより層流性が高まり、クリーンルーム室内の乱流が抑制された結果、発塵発生直後でも発塵源周辺の汚染が軽減されていました。また舞い上がりにくい状態のため時間の経過とともに堆積塵埃が増えることもほとんどない状況でした。
今回の実験結果より発塵直後は浮遊塵埃が増え、その後は舞い上がりなどの影響により堆積塵埃が増えることが確認できました。またCSバルーンをつけることで浮遊・落下塵埃が抑制できることも合わせて確認できました。しかしCSバルーンをつけて抑制できたとしても発生した塵埃はクリーンルーム内からなくなるわけではなく、床などに堆積している状況であり、いつ再浮遊して製品などに付着するかわかりません。発生した塵埃は時に浮遊したり、時に落下して堆積したりします。塵埃の状況を正確に確認するにはそれぞれに適した測定器を使用する必要があります。浮遊塵埃を確認する場合は粗大粒子パーティクルカウンター、落下塵埃を確認する場合はRACCARが適しています。
そして何より大切なのは基本であるクリーンルームの四原則(①塵埃を発生させない、②塵埃を持ち込まない、③塵埃を堆積させない、④塵埃を速やかに除去する)を順守することです。工程を見渡していただき、正しく状況把握がされているか、クリーンルームの四原則が順守されているかどうかを再度ご確認いただければと思います。
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